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闘う言葉

片野坂知宏監督「ジャブが効いてきた中でストレートが空振りに終わった」

 

【記者会見】

大宮さんを相手にアウェイの地で、簡単には勝てないだろうと思って試合に臨んだ。立ち上がり3分での失点を取り返すためにすごくパワーを使う中で、非常任厳しい試合になった。

ただ、失点した後も選手は切らさずに準備してきたことを最後までやってくれた。チャンスも作り、本当にもう少しというところまで行けたのだが、まだまだわれわれは力不足なところがあり、得点できなかった。それを真摯に受け止め、また来週、積み上げをしながら連戦に向けて修正できるようにやっていくしかないと思う。

NACK5スタジアムまでサポーターやファンの方々が来て、最後までわれわれに力を与えてくれたことに感謝したい。連敗は止めることはできなかったが、まだ取り返せるチャンスはあると思うので、下を向かずに、次の試合に向けて切り替えさせ準備したい。


【囲み取材】

——前半はちょっともったいない内容だった。どうしてああなったのか。

集中して試合に入るように、また粘り強く戦おうとも言ってあったのだが、やはりマテウスのスピードへの警戒が強すぎたのか…。あのPKもわざと引っ張ったりしたわけではなく、微妙だったとは思う。こちらのPKは取ってもらえず不運なところもあった。

——相手のほうが明らかに技術が高いところで後手に回って振り回されていたのでは。

そうですね。大宮さんはJ1でやっていただけあって、一人一人、技術が高く球際もしっかりしている。ただ、そういう中でも上回って攻撃してチャンスを作りもした。もちろん大宮さんはリードしているので守る時間が長くなり我慢強く守ったということなのかもしれないが、チャンスを作ったり、最後まで狙いを合わせてやったりして、こういうゲームを大宮さん相手に展開したことは次につながると思っている。

——練習でやっていた形が前半はなかなか出せず、後半になってから見えはじめたが。

相手も前半はフレッシュで、プレッシャーの迫力もあり、球際でも戦ってくるので。ただ、それをやり続けたことで疲労がたまってついてこれなくなったときに、こちらが相手より上回って攻撃でパワーを使うことができるようになった。それが得点につながって勝点1でも持って帰れれば、本当はよかったのだが。本当に狙いは集中して遂行してくれたのだが、最後のところが足りなかった。残念だが切り替えるしかない。

——崩せたシーンもあり、チャンスを決めきれていればと。

はい。シュートが枠に飛べば…。チャンスは相手よりも多く作っていたし、そこで上回った試合が出来た中で勝点につながらなかったのが残念。

——個の力量差が見えた。その中で粘り強く戦い、自分たちのペースへと持ち込んだ。監督としてはどちらを重視するか。

大宮さんのほうが技術や球際、フィジカル面で高いことはわかっていて、上回られてしまうことは覚悟の上で臨んだ。それでもそういう中でチャンスを作ったことを評価したい。そういうフィジカル勝負にならないような戦術の狙いを合わせてやれたこと、そのために準備したことがチャンスにつながったことがよかった。相手の狙いどころ、ウィークを突けた。自分たちのやり方を信じてやれたことがよかったと思う。ばらばらになってはいけないし、一体感をもって狙いを合わせることが本当に大事だと感じた。

——マテウスの自由な動きに翻弄された。

J1レベルの選手であれを止められる選手はなかなかいない。1点、2点は入れられるかもしれないので、それを取り返す準備をしなくてはならないと考えての、今節への準備だった。それが具体的に形にならないとダメだなと感じた。

——守備よりも攻撃に重きを置いて練習した、その良さは出せたと。

攻撃で狙いが出ていたし、チャンスになっていたのは狙いとして準備してきた形からだったので、そこは評価できる。あとは最後のところやシュートのクオリティー。そこがなくてはならないが、簡単に出来るものではないので。

——前半と後半のいちばんの違いは。

相手の疲労もあるし、相手がリードしていたこともあるし。ジャブのように戦術を粘り強く遂行し続けたことが相手に次第にボディブローのように効いてきた。そういうところから最後を仕留めたかったのだが。とにかく走ろうと言って、選手はよく走ってくれたと思う。最後に仕留める右ストレートが空振りに終わった、そこが上手くヒットすればなんとか勝点につながったのだが、ストレートが違う方向に行ってしまったのが残念だった。

——なかなか上手くいかない中で粘り強く90分で戦った。

この暑い中、アウェイの雰囲気の中で粘り強く最後まで戦ってくれた。われわれはこういう戦いを続けていくしかない。J2上位はそんなに簡単に行けるものではない。目の前の試合に向けていい準備をして、ピッチの11人が最大値を出して戦い、勝点を積み上げていくしかない。目標は勝点70でプレーオフ圏内。そこに向けてやっていくだけ。

——3連敗から切り替えさせなくてはならないが、監督としては。

はい。中5日で準備しなくてはならないし、3連戦なので…。ただ、ホームで2試合出来る。栃木と愛媛という、また手強くしぶとい相手なので、これをどう準備していくかということを、また考えてやらなくてはならない。大分に残っている選手の状態も見ながら、ベストなメンバーを選んでいく。