片野坂知宏監督「ひとつのミスが失点につながるだろうと予想していた」

 

【記者会見】

雨の中、大分のファン、サポーターの方々にたくさんお越しいただいたが、残念ながら勝ち点3をプレゼントできず、すごく悔しいし責任を感じている。

愛媛さん相手におそらくミラーゲームになると予想して準備してきた中で、崩すのも、守備をするのも、ボールを奪うのも本当に難しく、攻撃チャンスもそうそう作れないのではないかと思っていたが、本当にそのとおり拮抗した展開になった。

一瞬のところ、細かいところの判断や質、どちらが焦れずに戦えるか、相手のミスを得点につなげられるかというところが大事になる中で、われわれのミスからのカウンターでPKになり失点してしまった。出来れば先制点を前半のうちに取りたかったし、チャンスが全くなかったわけではなかったのだが、最後の部分の細かいところを突き詰めなくては、簡単に勝ち点3は取れないとつくづく思う。

難しいゲームが今後も続くと思うし、選手たちにはもっと、ビハインドになったときにパワーを使って相手よりも上回るというメンタル的な部分や、体の最後のパワーを出し切ってほしいと思う。それはわたしも含めて日頃のトレーニングから良い準備をして、こういうゲームで勝ち点1でも拾えるように、選手を鼓舞して戦っていきたい。

——今日はメンバーを若干変えて臨んだが、意図は。

状態が良くないので使わなかった。怪我や体調不良が見えたので。無理をさせればプレーできないことはなかったかもしれないが、状態が良く100％で戦えるメンバーを選んで起用した。

【囲み取材】

——我慢比べの展開になった。

そうなると思っていて、焦れてはダメだし、ひとつのミスが失点につながるだろうとも予想していた。勝ち点1でも良かったのだが…残念。

——最後は4-4-2に変更したが。

4バックにしてサイドからチャンスを作りたいという狙いだった。ミラーだとどうしてもマッチアップするのでケアされることが多いし、こちらが変化したほうが相手にとって嫌になるかなと思ったのだが、クロスの質や最後のところで…。いま、どうしても後半のパワーが足りないかなとちょっと思う。

——伊佐選手の1トップ先発は最初から予定していたのか。

いや、ほかにもプランはあった。どうしようかと考えていたのだが、先行して伊佐のパワーで、出来るだけ長い時間出したほうが相手にとって嫌なのかなと思ってそちらを選んだ。難しかった。

——前半に決定機を決めきれなかったことと、失点に至るまでのミスやぐだぐだ。どちらが重い課題か。

どっちも。前半のうちに仕留め、先制して相手を慌てさせたかったし、ロストしてのカウンターも相手は狙っていた。でも、逆に自分たちもそういうところは狙っていたのだが。なかなか決定機を作れずシュートまで行けなかった。もったいない試合をした。

——相手のWBの小暮選手と小池選手がいつもとは逆だった。どう見たか。

どういう意図かはわからないが、うちの両ワイドはスピードもあって前に出るので、その対策だろうとは思う。前野くんが左WBに入ると、どうしてもスピードなどで対応が難しくなると考えたのではないか。あとは3枚に高さがなく、最終ラインに前野くんがいたほうが後ろからの関わりがあり、押し込まれる状態が続いてなかなかボールを奪えなかった。あれを奪いに行くところも、連動しないと後手に回ってひっくり返されたりしてしまう。まあ、そういうゲーム展開を覚悟はしていたのだが。

——前半の終わり頃から相手がワイドに開いてきた。あれはどのように。

田中くんがちょっと右のほうで開いて高い位置を取るなかで、小暮くんが中に入ってきたりしていたので、あそこもすごく対応が難しかった。ただ、危険なほうを消しておけば、相手があれだけ前がかりになれば奪った瞬間のカウンターやファストブレイクが有効になると思っていた。そうやって相手がサイドで前がかりになってきたとしても、中央や危険なところには入ってくる感じもなかったので、逆に伊佐やごっつぁん（後藤優介）の速い攻撃で仕留めたかった。でもなかなかそう行かなかった。もっと割ってシュートまで行きたかった。

——怪我人やコンディション不良のメンバーが続出したが、ここからの戦いは。

いる選手でしっかり準備してやるしかない。なんとかやってもらう。粘り強く戦わないと、ビハインドだからといって集中が切れてもよくない。自分たちの戦い方をもう一度はっきりさせて、狙いを合わせていく。次の松本山雅もミラーゲームだし。

——松本選手は右サイドのほうがプレーしやすいように見えたが。

今日は怜も右に行ったり左に行ったり大変だったと思う。

——川西選手を投入するタイミングを、すごく悩んだのでは。

悩んだ。バランスも考えながら、ビハインドになって相手も少し守りに入る感じがあったので。うちの攻撃も、マル（丸谷拓也）とバズ（宮阪政樹）が疲れていたので、中盤のところでサイドを割ったりボールを出したり出来る翔太を入れた。少しくらいバランスを崩して前がかりになってもリスクを負って攻撃しなくてはならなくなったところで、翔太を使った。

——最終ラインからの攻撃参加が少し物足りなかった。

頑張ってプレーしてくれてはいたが、やはり相手が構えたときは、後ろからの攻撃参加が大事になる。愛媛とうちの違いが、そういうところに出た。後ろからのフィードや関わりや間合いのバランスとかは、愛媛のほうが整理されて良かった。愛媛は勝っていなかったので、よりパワーを持ってくる。それをこじ開けるのは並大抵なことではなかった。

——愛媛が見違えるように良いチームになっていた。

川井監督になってからのここ数試合、すごく整理されてオーガナイズされ、チームとして上手くまとまっている。これから上がってくるのではないかと思う。粘り強い。

——今節の結果を持って順位が落ちたが。

いまの時点では全く気にしない。自分たちの目標はあくまでも勝ち点70でプレーオフ進出なので。いまは目の前の試合で勝ち点を積み上げていくことが大事。ただ、一度負けたチームにはリベンジしなくてはならない。甲府には2-6で負けたし、愛媛にも岡山にも0-1で得点を挙げられなかったし、大宮にもクリーンシートでやられているので。そういうチームから点を取っていかないと。得点を挙げないと勝てない。そのためにもっと突き詰めてやらなくてはならない。