TORITENトリテン

闘う言葉

片野坂知宏監督「攻守にわたり一体感をもってやってくれている」

 

【記者会見】

雨の中、大分銀行ドームまでたくさんの方に足を運んでいただき最後まで力を貸していただいた。最後になんとか勝ち点3をプレゼントできてほっとしている。本当に良かった。ホームでは昨季なかなか勝てなかったので、今季はホームでたくさん勝つ試合を見せたい。それがサポートしていただいている方々への恩返しになると思うので、目の前の試合をひとつひとつ、ホームでもアウェイでも戦って、今日のように勝ち点3をプレゼントできるよう準備したい。

今節は岐阜さんを相手に、少し自分たちの形を変えて攻守の狙いを選手に伝えた中で、選手はそれをよく理解して最後までチャレンジしてくれた。本当に選手に感謝したい。僕が外から言わなくても良い判断をし、大事なことをしっかりと切らさずにやってくれた。その成果が最後に勝ち点3につながったのだと思う。

その姿勢を今後も出し切れるようにしたい。今日の試合に関しても、出ていないメンバーを含む30人全員が、日頃のトレーニングから意識高くやってくれて、チームとして一体感を持って戦えている。それがこういう成果になり、良いゲームが出来ているのだと思う。

次もホームで山口さんを相手に、今日のような大変厳しい試合になると思うが、狙いを合わせてベストな11人、18人を選んでチャレンジし、積み上げていきたい。

——今日のフォーメーションとその意図は。

4-3-3。見方によっては4-1-4-1。丸谷が真ん中にいる形だった。岐阜さんは田中パウロくんと古橋くんのサイドが幅を取って攻撃し、中盤では宮本くん、小野くん、今節は風間くんが距離感良くサイドで数をかけてやってくる。いつものわれわれの守備ブロックの形は5-4-1なのだが、後ろに5枚並べても相手の前線は3枚しかいなくて人数が余るので、それを中盤に押し出せて4-5-1のブロックを作ることが、相手に簡単にやらせない方法だと考えた。その狙いをもってチャレンジした。

——リーグ戦3分の1を終えて。

勝ち点も挙げているし順位も首位にいるが、いつも言っているように、選手が目の前の試合に向けて良い準備をしてくれている。その姿勢を残りの試合も続けていくことが大事。3-4-2-1の自分たちのベースの形をやったり、4-4-2などの4バックシステムをやったりと、今後も相手によって、またチーム状況によって、幅広い戦術を用いることで勝ち点を積み上げることが出来ると思う。その戦術の狙いを選手が本当に良く理解して、共通認識の下でチャレンジしてくれている。その姿勢が僕はすごく大事だと思うし、ありがたい。チームがバラバラにならずに攻守にわたり一体感をもってやってくれている。これが最後まで続けられるかどうかが大事になる。続けることによって、最後に自分たちの目標を達成できるのではないかと思う。


【囲み取材】

——言葉は悪いが、変態vs変態の戦いに見えた(笑)。

はい、変態にしました(笑)。もう、大木さんのサッカーはどうやっても難しいので。とにかく自分たちの形を崩してでも、カッコ悪くてもいいという考えで。

——でも結構、カッコ悪くなかった。

うん。特に前半はしっかりと狙いを持ってやってくれた。後半はちょっと押し込まれることもあったが、我慢強くやってくれたと思う。ちょっと危なかった場面もあって、もしかしたら勝ち点を落としていたかもしれなかったが、ラッキーもあった。

——かなり特殊な守備をしていたように見えたが。

戦術上の理由で詳しくは言えないが、岐阜さんのやり方に対して狙いを持って対応した。

——地味ながら小手川選手がかなり良い仕事をしていたのでは。

うん。コテの復帰は大きかった。コテはそういう戦術に対しても理解度が高いし、バランス良くやってくれる。先発をコテでしっかりと進めていきながら、ビハインドになったらまたシステム変更するかどうかを考えようと臨んだ。

——以前の練習試合で首を痛めていたが、それで使えなかったのか。

それもあったし、連戦でゲームをやっていなかったので、どのくらい持つかなと。ただ、痛めていたのが首で、足に問題があるわけではなかったので、行けるところまで頑張って行ってもらおうと思っていた。後藤と(星)雄次は足に問題があったので、そのへんも見極めながら起用した。伊佐もひさしぶりだったし、どこまで持つかというのを見ながら。あとはとにかく粘り強くやってほしいと話していた。よくやってくれた。

——ベンチに最終ラインの真ん中がいなかったが、丸谷選手を下げるつもりだったのか。

そう。マルを下げてフク(福森直也)を左に出して雄次をひとつ上げて。最後に雄次を左サイドのところで攻撃的に使いたいときには、一列上げようと。パウロくんの対応は、フクが昨季やっているので、ある程度は出来るだろうと思っていた。だからマルにはCBもあるかもしれないよと言っておいた。マルがCBに下がったときには、(川西)翔太、コテ、バズ(宮阪政樹)で行くということも考えていた。で、翔太が中盤だけどトップ下のような感じだし、そういうところから攻撃に絡んでいけるかなと考えて試した。

——本当に特殊な戦術だった。

対岐阜の戦術だった。難しい試合になると思っていたので。何回かやられることになるだろうとは思っていたが、最後のところでよく体を張って粘り強くやってくれた。

——最後の最後にあそこで得点できてしまうあたり。

ねえ(苦笑)。ラッキーだと思う、信じられない。もしかしたらやられていたかもしれない試合なので。良くても勝ち点1でもいいかなというくらいの気持ちだったが、これが勝ち点3につながった。いまはこうやって勢いがあったり運があったりもするが、シーズンはまだ3分の1なので。今後どういうふうになるかわからない中で、しっかりと目の前の試合に向けて準備することが大事になる。