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闘う言葉

片野坂知宏監督「こういうゲームがJ1なんだろうなと感じた」

 

【記者会見】

素晴らしい大分銀行ドームのピッチで、GW中に1万人を超えるファンやサポーターの方に足を運んでいただき、J1から降格してきた大宮さんを相手に、今日は本当に勝ちたいゲームだった。

ただ、やはり大宮さんの一人一人の能力、チームとしての戦術。われわれに対して非常にアグレッシブに戦ってこられ、なかなか自分たちの戦いをやらせていただけなかった。厳しい、手強い相手だと感じた。その中で先制点を取れたことはわれわれに勇気を与えてくれたが、そこから若干、受けに回ったり大宮さんのつなぎのテンポに対し自陣で構えてしまった。本来であればもう少し高い位置でブロックを作ったり、ボールを奪いに行ったりしたかったのだが、大宮さんは判断も質も良く、取りに行ってもかわされるというところでは難しかった。

守備に関してはもう少し自分たちからアクションを起こし、取りどころを作って奪いにいきたいという課題もあるし、攻撃に関しても4-4-2の大宮さんに対してボールを動かすというところに、選手はトライしてくれたと思うが、まだまだ判断や質を積み上げていかなくてはならないという課題が出た。

難しいゲームだったが、この敗戦を糧にして次に生かす。また中2日でJ1から降格した新潟さんとアウェイで戦わなくてはならないので、どれくらい修正できるか、どういうメンバーで臨むかというところをしっかり考えて準備したい。ずるずる行かないように、どういうメンバーであっても自分たちの戦いが出来るように切り替えてやっていくしかない。42節終わったときに目標達成できるよう、修正してやっていきたい。

——いつもに比べてサイド攻撃が少なかったが狙いなのか結果的になのか。

結果的にだと思う。一応、相手が4バックなのでサイドを起点にしたいという話はしていたのだが、選手の判断で中央なのかサイドなのかというところは洗濯してやっていたと思う。中央のところもスペースがあったり、受けたり狙えたりできると判断したのだと思うし、中央で作ることによってサイドが空いてくるということも出来るので、そこは選手の判断に任せていた。

大宮さんがわれわれの1トップ2シャドーに対してどういう守備をしてくるかというのを見た中で、清本や馬場のところが空いてきて、そういうところにボールを入れたり背後を突けたりするチャンスもあったのだが、そこをもう少し上手く突いたりボールが入ったときに判断良くプレーしたりが出来れば、もっと崩せて決定機を増やすことも出来たのかなとは、ちょっと思う。やはり中央はそんなに簡単にやらせてくれない。大宮さんのアグレッシブな守備は、守備に関しても個の能力が高く、非常にタイトに激しく来る。J2でもトップレベル。そういう相手を乗り越えて決定機をたくさん作っていかなくては得点は増えないだろうと、見ていて感じた。

——前節の町田戦から修正できたと感じるか。

選手は最後まで戦ってくれた。粘り強くやってくれたし、前節の町田戦のような終わり方ではなかったと思う。そこは修正してくれたと思うが、ゲームの中のクオリティーとか判断とか自分たちのサッカーという部分では、もう少しやれた感じもあるし、もしかしたら同点に追いついたり勝ち点3を取れたりしたゲームに持っていけていたところもあると思う。

選手もプレッシャーを感じたり疲労があったりチャレンジできなかったりと、自分たちが上手くそういう部分を出せなかったところもあったかもしれないが、このような本当に力のある相手から、勝ち点1、出来れば3取れればいちばん良いが、そういう戦いをやっていくことが、われわれの目標を達成することにつながっていくと思う。しっかりとこのゲームを教訓にして今後に生かしていく。そういう戦いをしていかなくてはならない。何が出来るかということを自分たちで見つめて、課題を修正し、チャレンジしていかなくてはならないと思う。

——前節まで出場していた後藤選手、星選手、伊佐選手がメンバー外だった理由は。

状態が良くない。疲労や怪我があったりするので今節は外した。怪我といってもそれほどひどいわけではないので、また状態を把握しながらトレーナーとも話をして、中2日しかない次節にどういうメンバーで行くのか、今日出なかった選手を含めて明日、明後日の準備で決断しなくてはならない。


【囲み取材】

——今節、戦力を入れ替えてみての手応えは。

個人によるかもしれないが、ちょっと上手く出来なかったかな…もう少しというところはあったと思う。狙い自体もやってくれていたのだが、最後、ゴール前の部分などでは難しさがあった。

——WBに少し守備に比重を置いたポジションを取らせていたのか。

相手はSHがインサイドを取ってSBが高い位置を取ってくるので、SBの高さによってはWBが絞って危険なところを消すことが必要になってくる。相手はそういうところで数的優位を作って攻撃してくるので。それでWBはどっちも行けるようなポジションを取った。食いついてスペースを空けてしまうと相手はコンビネーションも上手いし仕掛けられるので、そういうところで難しさもあったかもしれない。

——相手の右SBの酒井選手が攻め上がったウラなどはよく突けていたと思うが。

そうですね。攻撃の狙いとして、相手はリスクを負って高い位置を取ってくるので、奪ったときにスペースがある。そこをキヨ(清本拓己)とか(馬場)賢治とかが使えば、速い攻撃が成立する可能性があるのでそこを狙おうと話していた。

あとは自分たちがボールを持っているときに動かす中で、やはり4枚の相手なのでサイドを起点に出来ればと。サイドに入ったとしても、そこからの崩しの部分はちょっと物足りなさがあった。判断や質が悪く、もうちょっと上手く出来なかったのかなあという思いはある。

——岸田選手があまり攻撃に出ていけなかった。試合勘も影響したのか。

試合勘の問題も、もしかしたらあったと思う。ひさしぶりの先発だったので。剥がし方や動かし方に関しては、大宮さんのあれくらいのプレッシャーに対してもだいぶ上手く出来るようになってきたと思う。

——シモヴィッチ選手と河本選手が前節から外れる予想は。

全然していなかった。シモヴィッチに関しては、先に使うかあとで使うかどっちで来るかなとは考えていたが。シモヴィッチと大前くんが2トップならあまり守備をしないので、自分たちがしっかりボールを動かすことが出来て、2トップの脇を取ったり出来るだろうと話していた。

——失点に関しては。

1点目の嶋田くんのインスイングのシュートも上手かったし、2点目の大前くんのCKの軌道も、やはり良いボールを蹴る。警戒しなくてはならないと言ってはあったのだが…。ただ、僕はセットプレーに関して、(高木)駿にも他のGKにも、チャレンジしてほしいと言っている。それでポジションを前目に取っているのだが、そういうところをスカウティングされてやられたのかなというところもある。あれだけ速いボールであれだけのクオリティーのカーブのキックは、守るほうも守りづらくて難しいなと思った。

——大宮の強さを最も感じたのはどういうところか。

やっぱり、最後は山越くんと菊地くんのところが強かった。

——でも、先制点はそこから取れた。

さんぺー(三平和司)がよくキヨに出してくれた。相手が食いついたところを利用して。CBが2枚とも前に来て時間を与えてくれないから、ワンタッチ、ツータッチで判断すれば中央で数的優位を作れるよということは言っていた。

それでまず速い攻撃でさんぺーからキヨに出て、キヨの素晴らしいシュートで得点できたのは狙いどおりで良かったのだが、前半のうちに追いつかれてしまった。嶋田くんも仕掛けが速いので、ちょっとでも寄せが甘かったり対応が後手に回ったりすると、ああいうクオリティーを持っている選手にはやられてしまう。ちょっともったいなかった。

結果論でしか言えないが、そういうところで失点するか防げるかで左右されてくるので、粘り強く我慢強く対応しないと、次の新潟も同じような形で狙ってくると思う。

——大宮は派手さはないがじわりと強い印象だった。

うん。やっぱり、こういうゲームがJ1なんだろうなという感じがする。自分たちの狙いや意図した戦術的な部分がしっかり出来ていたとしても、本当に要点のところは完全に消してきて、やらせない厳しさがある。肝となるところは絶対にやらせないのが、やっぱり流石だなと。昨季までJ1でやっていたし、それだけの経験やクオリティーを持っている選手が揃っているだけあって、難しいなと感じた。

——次節はまた厳しい新潟戦だが。

頑張ります。

 

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