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闘う言葉

片野坂知宏監督「こういうゲームをするのは僕は本当に嫌いです」

 

【記者会見】

GW連戦の最初のゲームで、ホームで勝ち点3を取れたこと、大勢のファンやサポーターに勝利をプレゼントできたことは良かった。また、大分銀行ドームの芝生の管理、散水に関してもわれわれのサッカーに協力し、素晴らしいピッチを準備していただいたサポートに対して、この場をお借りして厚く感謝を申し上げたい。

試合のほうは4-3。相手も早い時間に1人退場になり、さらに疲労から後半はトータル2人少ない11対9というゲームになった。そういう中で町田さんはやるべきことがはっきりした戦いをしていたと思う。われわれは前半から狙いをもって良い形で得点を積み上げることができたのだが、後半の入りにセットプレーから失点し、追加点、駄目押し点、4点目がなかなか入らない中で2失点目を喫して、自分たちで苦しい状況にしたと思っている。

また選手にも話を聞いてみたいが、緩みや隙があったのか、疲労していたのか。こういうゲームをするのは僕は本当に嫌いです。勝ち点3は取ったが、あまりうれしくない。結果だけでなく内容も伴ったゲームをしていかなくては、われわれは42節終わったとき目標を達成するために、ひとつひとつ目の前の試合に対してやっていこうと話しているので。いまは首位かもしれないが、こういうゲームをしていると、必ずあとで痛い思いをすることになる。

選手にはしっかりと反省してもらって、もっと積み上げていかなくてはならないところ、絶対に隙を作ってはならないところを徹底し、また30人全員でしっかりと準備をして、相手がどこであれ、どういう状況であれ、スコアがどうあれ、自分たちの戦いを90分最後まで最大値を出し切って勝ち点を積み上げられるように。戦う姿勢でどこにも負けない隙のないチームとなり、その上で判断と質で相手を上回れるようなゲームをしていきたいと思う。

前節の金沢さんも今節の町田さんも素晴らしいチームで、われわれを本当に苦しめた。彼らの戦う姿勢は学ぶべきところだと本当に思う。しっかりと足元を見て自分たちのやるべきことをやり、GW連戦の2戦目をまたホームで戦える。次節の相手の大宮さんは格上の素晴らしいチームだと思うが、ホームで勝ち点を挙げられるように、準備して戦っていきたい。

——相手が数的不利になった難しさもあったのか。

本来、相手が少なくなれば、上回って失点もせずに勝ち切るゲームをしなくてはならないと思うのだが、サッカーの世界では、そうなって逆に難しくなるというケースが多々ある。今回は本当に自分たちで首を絞めてしまった。町田さんは少ない人数の中で、セットプレーやパワープレー、個の能力で上回るといったストロングポイントを顕著に出してきた。警戒はしていて、交代で竹内を入れたりもしたのだが、なかなかそこが機能しなかった。どちらに転ぶかわからない展開で、ここで勝ち点3が取れなかったら本当に僕の責任だし、サッカーは本当に怖いスポーツだと思う。

攻撃にしても、点を取りに行くのかしっかりとつなぐのか。守備でも絶対にやらせない姿勢といった「やるべきこと」を90分合わせてやれるように、選手たちに話をして準備しなくてはならない。


【囲み取材】

——難しい試合になってしまった。

すべて自分たちで招いたことだと思っている。

——得失点差を稼ぐことも大事だった。

その通り。3失点もしてはならないし、5点目6点目7点目が取れるチャンスもあった。得失点差をつけて終わらせなくてはならないゲームだった。まだまだわれわれは弱さがある。足元を見て隙のない試合をしなくてはならない。

——前後半にそれぞれ採点するとしたら。

うーん…難しいが、前半はまあ、3点取れたことが良かったので80点くらいはつけてもいいかと思うが、後半は点をつけられるほどの内容ではない。選手とも話をしなくてはならないが、リードしている状態で、攻め急がないように回すのか点を取りにいくのかというところが中途半端になったかもしれないし、相手のストロングポイントに対してチャレンジできなかったのは、疲労があったのか油断だったのかというところ。後半に限っては最悪な内容だったと思う。

——どのあたりから難しくなったと感じたか。

3-0で折り返したまでは良かったのだが、先に4点目を取らなくてはならなかった。後半の立ち上がりにCKからのこぼれ球で1点入れられて3-1になったことで、相手も勢いづいてきた。後半開始早々に入れられたことが試合を難しくしたと思う。馬場も3得点したが、4点目のチャンスもあり、やはりああいうのを決めきらないと、3-1から4-1になるのか3-2になるのかによって全然違ってくる。そういう部分で隙を作ったというか、油断したのかなと思う。

——どちらにも課題が出た中で、攻撃と守備、どちらからテコ入れしたいか。

まずは守備。ロングボールに対してとか、セットプレー。もう一回責任を持たせてやらなくてはならない。あとは個人の対応力。とにかくチャレンジしているかどうかの姿勢。球際とか切り替えとかがJ2の戦いではすごく大事だと昨季も思っていた中で、スコアだとか相手だとかどういう状況だとかに関係なくベースの部分でチャレンジしなくてはならない。そういうところで上回られていたら、相手は人数が少なかろうがやっぱりやられてしまう。学ばなくてはならない。

あとは攻撃でしっかりと決めきるように。後半、相手が少ない中で、しっかりボールを動かせるかどうかだと思う。少ない相手なのにプレッシャーを受けて、自分たちで苦しんでバックパスばかり。もっと揺さぶったり動かしたりしていかないと、今後も厳しい試合になるだろう。

——試合後、ロッカールームに戻ってきた選手たちの様子は。

やはりそんなに喜んではいなかった。選手たちもやってはいけないゲームをしてしまったということはわかっていたと思う。良い勉強にしなくてはならないし、今後もこれを糧にして勝ち点3を取れるようにしなくてはならない。