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闘う言葉

片野坂知宏監督「ミーティングで30分くらい守備のやり方について話をした」

 

【記者会見】

本当に疲れた。選手も疲労していた。頭も使う、体も使うという本当にタフなゲームだった。やはり名古屋さんは強い。

アウェイで名古屋さん相手に、最後にセットプレーからだが得点できて勝ち点3を取れたことは本当に良かった。頑張りが結果につながって、選手にとっても自信になると思うが、決して過信せずに、名古屋さんを相手にしてもわれわれらしい戦いがもっと出来るように、積み上げていきたい。

今日は名古屋さん相手に狙いと意図をもって、選手が最後まで戦ってくれたことで、ご褒美をもらい、たくさんの大分のファンやサポーターの方々に勝利をプレゼントできた。監督として本当にほっとしている。

ただ、この勝利で何も得たわけではないので、あと10試合、出来るだけ勝利できるように、慢心せず引き締めて、次節のホーム長崎戦で自分たちの戦いが出来るように準備していきたい。

——今日はシステムを変え、守備から入る戦術で臨んだ。ポイントは。

いつもであればわれわれは3-4-2-1なのだが、今日に限っては4-4-2でスタートした。というのも、3-4-2-1だとブロックを作ったときに後ろが5枚になり、余ってしまう可能性がある。

そこでズルズル下がってしまうと、名古屋さんにはボールを運べる選手や関われる選手がいて、数的優位を作るのも上手いので、ゴールに近いところでやらせたくない。それで、4-4-2にしながらラインを高くコンパクトに保ち、前から守備が出来るようにした。

相手に自由を与えてしまうと、クオリティーが高く決定的な仕事が出来る選手がいるので、そういう相手に対して高い位置でプレッシャーをかけたいという狙いで4-4-2にした。

また、相手が前がかりになってくるのではないかという予想の中で、奪った瞬間にスペースを使えばカウンターが生きるのではないかと。これは前回、ホームで対戦したときにそういう形から得点を挙げたところから、狙いをもって臨んだ。

選手が距離感を保ったり、怖がらずにラインを上げてコンパクトに守備をしたりしたことで、名古屋さんの攻撃の距離感に対してわれわれの守備の距離感が良い具合にハマった。名古屋さんがほぼほぼ同サイドで枚数をかけて攻撃してくるという分析の中で、同サイドでも枚数を合わせ、スライドと連動で数的不利にならずに守ろうと狙った。

全員でハードワークして、割り切ってやってくれた結果、クリーンシートで終われた。相手にはクオリティーの高い選手、フィニッシュのところで持っていける選手がたくさんいる中で、90分を完全に守るのは無理だと思っていて、1、2点の失点は仕方ないという覚悟もしていたのだが、本当に選手たちに感謝したい。


【囲み取材】

——最終的に4-4-2で行こうと決めたのは。

分析担当の安田や他のスタッフとも話をして、中盤のところで数的不利にならないようにしたかった。また、相手に後ろから自由にパスを出させたくないというところがあって、5-4のブロックより4-4-2で2トップにしたほうが、プレッシャーの行き方や4枚のスライドで、前線からの守備がやりやすいのかなと。

相手がどういうシステムで来ても、幅を取る大きなサイドチェンジはなく、ほとんど同サイドで枚数をかけて崩す戦術なので、スライドと連動と、とにかくついていこうと話していた。

——では、選手起用もそれを基準に。

はい。(姫野)宥弥もボランチでハードワークできるし、(鈴木)惇とのバランスも取れる形になるかなと。いま(川西)翔太がいないところで、サイドの対応はコテ(小手川宏基)や(松本)怜のほうが上手く行くかなと。それで、守備面でのハードワークに期待して、宥弥を思い切って起用した。

危ない場面ややられている場面もあったのだが、よくカミ(上福元直人)もしのいでくれたし、みんなハードワークしてくれた。

——國分選手を入れたとき3バックにしたのは。

(岸田)翔平、ノリ(鈴木義宜)、(竹内)彬の3枚にしたのは、どちらかというと左サイドにシモビッチが流れる感じだったので彬とマッチアップさせて、真ん中にノリがいて体を張ってくれたほうが安定感が増すのかなと。相手も左サイドにスピードのある杉本くんを入れてきたので、(國分)伸太郎にワイドのところでスピードで対応してくれと。とにかく失点0で終えれば勝ち点1は取れる、勝ち点1だけでも全然良いと思っていた。

——3バックにしたので勝ちに行ったのかと。

いや(笑)。フク(福森直也)が足をつらせていたので、翔平と伸太郎になんとか頑張ってもらおうと。もちろん攻撃で、伊佐とごっつぁんでカウンターで行ってくれればというのもあったが。

——立ち上がりからあれほどチャンスを作れると予想していたか。

うーん、でもカウンターチャンスについては、試合が始まってちょっとしてから、なんか行けそうだなと思った。だからフクが怪我しなかったら多分4-4-2のままやっていた。ただ、相手が枚数をかけて関わってきて枚数が合わなければ、5-4のブロックを作ってもいいよと、彬や惇たち真ん中の選手には言っていた。

——短時間でこれだけの対策を理解して遂行できたのはすごい。

だからいつもはミーティングで映像を見せたりするのだが、今回は映像は見せずに30分くらい守備のやり方についての話をした。ちょっと長すぎたかなと思ったのだが(笑)。紅白戦のときに守備のスイッチのところを上手く確認しきれなかったので、試合前にそこをはっきりさせておこうと、さんぺーとごっつぁんに話をした。

やられていてもおかしくない場面もあったが、なんとか体を張って守ってくれた。みんな良くやってくれた。

——本当はカウンターで仕留めることが出来ていればというところも。

あった(笑)。さんぺーもあったし、前半も何度かあったところで決めたかったが、0-0でもいい、勝ち点1でもいいと思っていた。

——今季初の3連勝。

名古屋さんを相手に3連勝目を挙げたことは大きい。いままで頑張ってきたご褒美をもらったような気持ち。アウェイで名古屋さんを相手になかなか勝てるものではないので。今季ダブルは大きい。

ただ、これで慢心してはいけない。本当にここから。残り10試合が大事になる。

——割り切った戦い方だったが、意思統一という大きな収穫もあったのでは。

そうですね。ああやってボールをつないでくる相手でも、4-4-2の守備で戦えた。ただ、相手に大きな展開がなく、ショートパスをつなぐスタイルだったから出来たんだよということは、フィードバックしなくてはならない。でも、そういうところでも集中を切らさずにやってくれたことは、収穫だった。

 

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