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闘う言葉

【練習後】片野坂知宏監督「トライしないと得られるものも得られないとあらためて話した」

 

——短い期間でどういった準備を。

ミーティングで東京V戦でで出た課題を修正し、今後どういうふうに戦っていくかを話したあとで、コンディション調整をして刺激を入れた。明日はゲーム形式で京都戦に向けての戦術確認をしたい。

——今後の戦い方については。

この2試合で相手もこちらを研究して攻守で対策を練ってきている。それに対してわれわれは、つねに状況判断やバランス、駆け引きや予測を考えながら戦っており、決められたことをしているわけではない。だからどういう相手が来ても自分たちの戦いが出来るようにやっていこうと話をした。そうすればどんな相手が来ようが主導権を握った戦いが出来る。

相手の前からのプレッシャーが早ければ、それ以上に自分たちの動かし方やサポートを早くしていければ、相手も来れずにどんどん下がるようになり、押し込める。相手の変化を見て数的優位を作りながら判断良く突いていければ相手はひっくり返るよ、という話をした。

つなぐことを徹底すると、どうしても近いところになってしまいがちだが、判断の中でいちばん良いのは1本のパスでゴールまで近いところに行くのが手っ取り早いし、そういうところに出すために、ボールのないところの選手が良い準備をして狙ってほしいということも話した。

ただ、相手がプレッシャーに来たときに、近くにパスすることで剥がせたり数的優位を作ったり、相手を変化させてスペースを作ったりということも大事だよと。GKを使って相手を引き付ければ必ず数的優位の状況になるので、そこを使うように上手く動かすことが出来れば、相手も来れなくなり、さらに自分たちが主導権を握れるようになる。

——連敗については。

ホームで連敗したことは残念。ホームでは勝ち点を取らなくてはならないと思うが、そこで自分たちのプレーが出来ずに負けてしまったことがちょっとショッキングではあった。ただ、上手く行かないといろんなところに原因を探したくなるものだが、とにかく自分たちの戦いが出来るように、予測や駆け引きや集中力を高めたい。特に夏場になると頭も体も動かなくなったりするので、相手より頭と体を動かせるように最後まで出し切っていこうと話した。

われわれには「形」があるので、それを防ごうとすれば相手がああいう形で守備をしてくるのも、奪った瞬間にそういうところを突いてくるのも、分かりきったことではあった。

いままではプレッシャーをかけてきた相手に対してもトライできていたのだが、ミスして失点につながったり、結果がともなわなかったりということが重なって、自信を失いメンタル的に弱くなっているところもあったのかもしれない。なので、とにかく僕が責任を取るし、トライしないと得られるものも得られないので、そこはやってほしいと、あらためて話した。

こういう相手をひっくり返せるような強さを身につけられれば、J2でも上位に行けると思うし、J1を狙えるチーム力もついてくるのではないかと、この連敗で分からせてもらった。引き続きトライしながらブレずにやっていく。

——京都戦に向けて。

出場停止が多いし、前節負けてあまり調子が良い感じではない。準備期間がない中でシステムややり方を大きく変えることはないと思うが、上手く行かないときにはミラーゲームに合わせてくる可能性もある。どんな形で来ても、自分たちが揺さぶったりして攻撃で上回ることができ、先制点を取れればと思う。逆に先制されると、前がかりになったところを狙われてしまう。中盤に速い選手もいるし、前線にも点の取れるストライカーがいる。また厳しい試合になる。

——最近は前線のコンビネーションを阻んでくる相手が増えたが、対応策は。

相手が距離感良く消してきたり、ボールが入ったところに奪いに来たりプレスバックしたり。こちらの使いたいところを消されてきていた。結局はこちらに、そういうところに入れる前の工夫や変化がない。相手が4-4でブロックを作っていても、その相手を引きつければスペースは出来る。相手を引きつけるパスがないから、空いてこないということ。相手を変化させないとボールは入らないし、相手を動かさなくては背後も空いてこない。そういうところで動かし方をもうちょっと工夫したい。

短いパスや近いところに出すパスは、相手を食いつかせるぶんリスクがあったり相手がプレッシャーに来るので背負う形になったりして怖さもあるのだが、そこをやっていかないと、何の崩しも出来ずチャンスも生まれてこないよと話をした。パスの出し手と受け手の体の向きや良い判断、パスの質などを上げていければ、相手を食いつかせて数的優位の状況に持ち込めるよねと。

それを実行するのは、選手は大変だと思う。難しいことを要求しているし、相手との駆け引きがある中で、自陣で奪われれば失点に直結するので。そこは僕は腹をくくっていて、トライした結果に失点しても良いから、という話はした。同じミスを繰り返すのは良くないが、やった上で何が足りなかったか、どういうふうにやっていけばいいかということを考えることで得られるものがある。それが成功すればするほど相手は来れなくなって、逆に上回ってチャンスも増えてくる。まあせめぎ合いなので。やるかやられるかの。

——これまでも前線3枚はインテリジェンスが高かったと思うが、ここからはさらに難しくなる。

現状ではJ2で中位から下になる。今後、J1昇格やプレーオフ圏内を目指すのであれば、もっと質や判断を上げていかなくてはならない。考えるスピードなども上げていかないと、上は狙えない。

どちらかというと出し手の方が難しいと思う。プレッシャーをかけられる中で、どっちにどういうふうに出せばいいか。相手がプレッシャーに来ると、GKを含めて自陣で回せばリスクが高いし難しさがある。前線も受け方や準備は理解してほしい。

 

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