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闘う言葉

片野坂知宏監督「レベルの差が表れたゲームだった。学ばなくては」

 

【記者会見】

ミッドウィークのナイター、リーグ戦の間の天皇杯の試合で、本来であればホームで戦えるので、J1の柏さんを相手にリーグ戦に近いメンバーで挑み、本気で来る柏さんに対してどれくらい自分たちが通用するのかを見極めたい気持ちもあったのだが、今日のメンバーは、2回戦・町田戦で勝ち上がって、自分たちでこのチャンスを掴んだ選手たち。普段はなかなか先発で出場できないハングリーさやフレッシュさで、J1の柏さん相手にも自分たちの戦いが出来るのではないかということで選んだ。

やはり全体的に見れば柏さんのゲームだったとは思うが、そういう中でも、われわれが目指しているサッカーも、少ないかもしれないが見られた。それが出来る時間帯をもっと増やしていきたい。まだ判断とクオリティー、質の部分でも足りないところがあり、ああいうレベルの高いチームは、一瞬のミスを許してくれずにものにする。そういうレベルの差が表れたゲームだったのではないかと思う。

ただ、選手たちは自分の持っている最大値を出してくれたし、あきらめずに足がつってヘバるまで戦ってくれた。前回のリーグ戦・湘南戦、今回の天皇杯・柏戦と、いろんなメンバーを使った中で、チームとして戦う姿勢を出してくれたことは、選手たちに感謝したい。そういう姿勢の中で、どういう相手に対してもサッカーで上回れるように積み上げていきたい。そして、この経験を今後のリーグ戦につなげられるようにやっていかなくてはならないと感じた。

まだリーグ戦が20試合近くあり、これからもっと気温が上がって厳しい環境で戦わなくてはならない中で、こうやって最後まで戦う姿勢を出してくれた。それを42試合が終わるまで続けていきながら、ファンやサポーターの方々に少しでも良いゲームを見せて良い思いをしてもらえるように、継続してやっていきたい。

そして、九州北部の災害に遭われている方々、まだまだたくさん悲しい思いや苦しい思いをしている方々のためにも、戦う姿勢を持って、励みになり勇気を持てるようなゲームを続けていきたいと思う。

【囲み取材】

——メンバーを決めたのはいつか。

前日に合わせるときに、やはりリーグ戦もあるし、延長も含めて120分の試合になる可能性を考えると、ベストメンバーで行っても愛媛戦が大変な思いになるかなと。愛媛もアウェイで簡単に勝てる相手ではないので。それでフレッシュなメンバーを使うようにした。会見でも言ったように町田戦で良いゲームをしてくれたし、自分たちでこのチャンスを作ってくれたので、もう一回このメンバーで行こうと。その中でも積み上げる部分、見えてくるものがあると思ったのでトライした。

——2枚替えしたときは勝ちにいったのか。

もちろん、ビハインドだったし、ごっつぁん(後藤優介)を入れて起点を作ったり上回ってくれたりすればと期待したのと、(坂井)達弥もイエローカードを1枚もらっていたし失点にも絡んだりして疲労も見えていたので、伊東純也くんが出てきたところでフク(福森直也)をあそこで出した。攻撃では後ろからのフィード、守備では伊東くんに後手にならないように対応できればと。

——相手のシステム変更にはすぐに気づいたか。

はい。中川くんがトップ下に行ってクリスティアーノが右に入ったので、ああ、変えてきたなと。やはり真ん中のところで中川くんが嫌なところでボールを引き出したりするので、そこの対応がちょっと後手になっていて、厳しいところもあったのだが、なんとか前半は粘り強くやっていた。

相手のシステム変更についてあまり細かく指示は出さなかったが、コンパクトにしてコミュニケーションを取って粘り強くやろうと話した。

——ボールの動かし方は浸透していると見たが。

相手が4枚のときに相手の嫌なところを突こうという狙いは、みんな意図的にやってくれていた。そこからのクオリティーや判断などちょっとしたところで、フィニッシュまで行くかミスで終わるか奪われてしまうかが分かれてくるので…。狙いはみんなわかっているのだが、判断と質が課題。後半、疲労してきた時間帯でもそれが出来るようにならないと、ああいうJ1のチームはそういうところを許してくれない。

——この試合を受けていちばん高めなくてはならないところは。

判断のところで、もうちょっと危険なところを見たり、フィニッシュに行くまでの部分はもうちょっとやらなくてはならない。前半は良い形でファストブレイクからフィニッシュに至ったり、良い守備から良い攻撃へと切り替えた場面も見られたので、そこは継続しながら、相手が構えたときにも動かして、もっと危険なところを見れたり出せたりして、確実にシュートまで行くような形を作りたい。

——未熟なところは運動量でカバーしていた。

(笑)。まあ、そういう戦う姿勢は本当に最後まで、回されていても守備で頑張ってくれたし、一人ひとりがチャレンジしてくれたと思う。3点目、4点目を取られる可能性もあったのだが、トーナメントなので、勝ち上がれないのであれば何点取られてもいいからチャレンジして、1点でも奪うことのほうを僕は重要視していて、なんとか得点したいという思いがあった。だが、もうちょっと。簡単に時間とスペースを与えてくれないし、そういうところを許してくれない。

——吉平選手の投入は攻守どちらに期待してか。

どちらもある。負けていたし、ギシ(山岸智)にも疲労が見えていたので、(國分)伸太郎を右に回して、トップ下で(吉平)翼を使うか、野上を使うか、ごっつぁんを使うかというプランを考えていて。翼もハードワークできるし、攻撃でも良い奪い方をすればカウンターで背後に抜けたりゴール前に走ってくれたりというスピードで上回ってくれるかなと期待して投入した。本当によく走ってくれたと思う。10分、15分くらいしかない中でもやってくれた。

——この試合でのいちばんの収穫は。

4バックの相手に対してチームとして狙いをもってやれていたことと、そういう相手に対してもトライできたことは良かった。あとはクオリティーの部分。パスの質やタイミング、シュートまで行けるようなラストパス。そういったところを高めていければ、柏さん相手でももっとチャンスを作り出すことは出来たかなと思う。

——J1との力量差をどこに感じたか。

失点場面にしても、こちらの一瞬のミスを逃さず必ず得点に結びつけるところ。それと判断とかテンポといった質の部分でもイージーなミスがなく、しっかりとボールを持てる、出せる、止められる。そういう部分はやはり柏さんはJ1でもトップクラスだと見ていて感じた。学ばなくてはならない。

 

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