片野坂知宏監督「こういうゲームで勝ち点3が取れるようにしていく」
【記者会見】
今日はわれわれにとって本当に大事な試合だった。大分県の日田市・中津市で豪雨災害に見舞われた方々がたくさんいらっしゃる。避難所生活を送る方や復旧・復興するために頑張っている方々に向けてわれわれがサッカーを通じてやれることは、このホームゲームで頑張っている姿、あきらめない姿を見せること。それが勇気や励みになるようなゲームをしようと話して選手を送り出した。
この場をお借りして、クラブを代表してお見舞い申し上げます。今後もみなさんの励みになるようなプレーをしたり、募金活動も継続して、微力ではあるが出来ることを続けていきたい。
スコアは0-0で勝つことができなかったが、非常に引き締まった厳しい試合が、お互いに出来た。湘南さんにハードワークで負けず、最後まで粘り強く戦ったし、湘南さんもアグレッシブに湘南さんらしさを出してこられた。お互いの勝ちたい気持ちがぶつかるような引き締まったゲームになった。その中で勝ち点1を取れたことは、もちろん勝つことがいちばん良いのだが、決して悪い結果ではなかったと思う。
前節の千葉戦で非常にもったいない、悔しい試合をしていたので、選手も危機感をもってこのホームゲームでトライしてくれた。まだまだ積み上げなくてはならないところはあるが、この厳しい環境や状況で湘南さんを相手にこういうサッカーが出来たことをポジティブにとらえたい。今後の試合に必ず生きてくるし、生かしていかなくてはならない。
まだまだ後半戦がはじまったばかりで、これからも厳しい試合があると思う。水曜日にはまたホームで天皇杯をはさんで連戦となる。チームとしてしっかりと狙いをもって積み上げ、全員でこの連戦で良いゲームをして、ファンやサポーター、そして被災者の方々に、励みになるように積み上げていきたい。期間は短いが良い準備をして、J1の柏さんに対してもわれわれのサッカーがトライできるようにしたい。
——今日は気持ちの伝わるゲームだったが、試合後のサポーターの拍手をどう受け止めたか。
今日スタジアムでわれわれの試合を見てくださった方々は、面白い試合、気持ちの入ったプレーを感じ取ってくれたと思う。その反響が拍手だったのだと受け止めている。われわれが今季トライする中で、湘南さんのような強い相手に対しても勝ち点1を取れ、最後まであきらめずに戦ったということは、ベースではあるがなかなか簡単に出来るものではない。気温も湿度も高く消耗戦になったが、負けずに最後まで走って戦ってくれた。これは僕が目指しているところでもあるし、トリニータとしてもやらなくてはならない責任だと思っている。
それを感じ取っていただけてありがたかったし、そういう方々が最後まで応援してくださったからこそ、われわれの戦いがある。これからも引き続き一緒に戦い、応援していただけたらうれしいです。
【囲み取材】
——蒸し暑い中で、最後までよく走った。
蒸し暑かったが、選手たちがよく戦う姿勢を持って走ってくれた。後半勝負になるかどうかもなかなかわからなかったが、とにかく切らさないように、どういう状況であれ集中して戦わなくてはならないと思っていた。やられても、自分たちの戦いにチャレンジしようと考えていた。
——相手は後半から4-3-3にシステムを変えた。
湘南さんは前からアグレッシブにプレッシャーをかけてくるのが特徴のチームなので、後半、疲労が見えた中で勝負を懸けて来たのかと思う。
今季の湘南はこれまでもメンバーやシステムを変えたりしていたので、もしかしたらメンバー交代で変化をもたらしてくるかなと思ってはいたのだが。
——かなり惜しい決定機がたくさんあった。
もうちょっとそういうところは突き詰めてやらなくてはならない。ただ、湘南相手にあれくらいアグレッシブに行って、シュート数は相手の方が多いが、われわれもゴール前に運んだり、得点の匂う場面を作れていたので。
——勝ち点3に届くために、あと何が必要か。
フィニッシュの部分でのアイデアとか質とか。疲労していたり厳しい環境だったりする中でも、シュートまで持ち込めるようにやっていきたい。でも今日も決して悪いゲームではなかった。
——チームの特徴もあると思うが、こちらの方がアイデアでは上回っていた。
前半から前線3人のアイデアやテンポも悪くなかったし、戦う姿勢も出してくれた。こういう戦いを続けていければ、J2でも目標達成して1ケタ順位やプレーオフ圏内を狙えるくらい積み上げていけるのではないかと思う。ただ、良いゲームをしたあとが大事になるので、引き締めてやりたい。今日は勝てなかったので、こういうゲームで勝ち点3が取れるようにしていく。