片野坂知宏監督「動かし方のところでももっと工夫できれば良かった」
【記者会見】
まず、今日このような結果になったのは僕の責任。もちろん、攻守で選手のミスもあったりしたが、僕の責任だと思う。たくさんの方に応援していただいたのに、その方々に対して本当に申し訳ない。
相手が前からプレッシャーに来ることは想定した中で、しっかり自分たちがボールを動かして、相手の変化を見た中で判断と質で上回っていきたいという狙いをもって臨んだ。決定機もあったのだが、それを決めないからこそこういう結果になった。
今日の試合は、勉強代を払って学ばせられたと感じている。もう二度とこういう試合をしないように、日頃のトレーニングからしっかり積み上げていくことが大事だと思う。ただ、自分の中でも、今日のような失点はシーズン中に一度や二度必ずあると腹をくくってトライしていた。それが実際に起きてしまって、反省もしなくてはならないのだが、これで止めることなく、トレーニングからトライして、もっともっと良いゲームをして勝ち点3を取れるようにしていきたい。
——4試合未勝利という現状をどうとらえるか。
順位に関しては42試合が終わった時点でのものが大事になってくる。われわれの目標はJ2残留で、まず目の前のひとつひとつの試合に対してしっかりと勝ち点を積み上げていけるようにしたい。また、なかなか勝ちきれないゲームが続いていて、攻撃でも守備でも突き詰めてやるしかないと思う。
今日も吉平を先発させたが、怪我人が出ていることを含めて、前線の選手などもいろんな組み合わせがある。戦力の組み合わせや攻撃のバリエーションも増やしていかないといけない。勝つためには点を取らないといけないので、そのアイデアを合わせながら、突き詰めてやるしかない。
今日もまったく決定機がなかったわけではないので、選手にも言ったのだが、あそこを決めていれば違う結果にもなったかもしれない。決めきれないのがいまの実力。学ばなくてはならない。こういう悔しい思いはもう二度としたくない。
【囲み取材】
——今季初出場・初先発の吉平翼選手起用の意図は。
相手が前から来ると思っていて、(最終ライン)4枚で来るか3枚で来るかというところで3枚だと思っていたが4枚だった。13時キックオフで暑くなることも予想され、翼の機動力やスピードで立ち上がりからかき乱してくれればと期待した。翼も練習試合や練習で状態が悪くない感じだったので、使ってみた。
攻撃的に行くタイミングで、さんぺー(三平和司)、(林)容平とスイッチしようと考えていたのだが、相手も翼の情報をわからないと思うし、スピードなどで上回ることが出来るのかなと。翼も初出場で、守備で引っ張られる場面もあったが、経験のひとつとしては悪くなかったと思う。まだまだ上げていかなくてはならない。
——相手の出方に対してのプランは。
4-4-2の相手に対して(攻撃時は)4-1-4-1で相手を上回り、相手の変化を見ながらしっかり攻撃を組み立てたいという狙いだった。前半は相手にボールを持たれたが、ラインも少し後ろで良いと言ってあったので、それは想定内。後半に相手が疲労で間伸びしてスペースが空いてくるようなことがあれば、さんぺーとスイッチしたいというプランだった。あの時間帯に先制点が取れれば違う展開になっていたかもしれないのだが、仕方がない。
——あれだけ決定機を外すとチーム全体が疲労してくるのかなと。
そうですね、守備も粘り強く前田くんと林くんを抑えていたのだが。だから、もったいない。いつかはこういうミスがあるとは思っていたのだが、もしかしたらそれは今日かなという予感も少しあった。前田くんにあのスピードがあるので。
——相手はこちらをよく研究していて、狙いどころを定めていた。
そういう動かし方のところでももっと自分たちで工夫できれば良かった。結構プレッシャーを感じたかもしれない。僕らの特徴ある攻撃は見ればわかるものだし、研究されることはあるとは思っていた。それをひっくり返せないのが現状の力量だと思う。
ただ、今日も相手に研究された中で、剥がせる場面もあったしチャンスも作っていたので、その回数を増やして精度を上げていくしかない。
——失点場面に関しては。
前田くんが速いことはわかっていたので、そこで焦ったりビビったりしてしまったのかとも思う。ただ、「ミスしても良いからトライしてつなげ」と僕がハーフタイムに言ったので、そこが僕の責任。もちろん、判断やミスもあったかもしれないが、僕の言ったことに選手はトライしてくれたということ。でも、内容で勝っても結果で負けたら、結果しか残らない。
——選手たちがこのミスで自信を失わずに続けていくことが求められる。
そうです。こういうことはあると思っていた中で、今後はこれが起きないようにトライしていくしかない。やれなかったことは選手にフィードバックして、またトレーニングで修正したい。
今季からこの形でやっているのでなかなか上手く行かないところもあるし、相手にも研究されるのだが、相手がそうやって対策してくることがわかっていても、なおかつそこで上回りたい。そうでないと、J2では守りきれば勝てるかもしれないが、J1に上がったら得点できず、やられるだけやられてまたJ2に落ちるということになりかねない。こういう相手に対しても判断と質で上回って攻撃できるチームにしていかないと、厳しくなる。
切り替えて、取り返すように頑張ります。