片野坂知宏監督「悪くはなかったが、結果がともなわないと何も残らない」

 

【記者会見】

バトルオブ九州で、アウェイ長崎さん相手に、非常に悔しい敗戦。負けたのは僕の責任で、選手は最後までよくやってくれたと思う。ただ、なんでもないところから失点が生まれる、これがサッカー。こういうことがあることを、自分たちは学ばなければならないし、同じことを絶対に繰り返してはならない。

いくらサッカーの内容で勝ったとしても、結果としてダメであれば、評価されないし、上位にも食い込めない。このようなゲームをしないように、結果にもプレーにもこだわって、最後まで集中して良いゲームが出来るように準備したい。

次もアウェイで厳しい試合が待っているので、早く気持ちと体をフレッシュにして、またアウェイで町田さんを相手に勝ち点を挙げられるように準備したい。

九州ダービーということで、本当にたくさんのサポーターが来てくださったことに感謝している。残念な結果になったが、われわれに最後まで力を与えてくださった。勝ち点3をプレゼントできなかったことを、非常に申し訳なく思う。次こそは勝利をプレゼントできるように、しっかりやっていく。

——こちらの嫌なことをしてくる長崎に対して、コンセプトを貫こうとする姿勢は見えたが。

長崎さんとはよく練習試合をやっているので、われわれのやり方もわかっていると思うし、ウィークポイントを突いてくるだろうとは思っていた。そこもしっかりと管理しながら簡単にやられないように準備したのだが、本当に失点が悔しい。その前の段階で防ぐことが出来なかったから、そういうことが起きてしまった。まだまだ足りていない。もっとそういうところを突き詰めてやらなくてはならない。

【囲み取材】

——急なアクシデントでメンバー変更を余儀なくされたなかで。

（前田）凌佑も、こういうプレッシャーをかけてくる相手に対してしっかりやってくれた。名古屋戦でこの形で良いシーンもあったし、使えるかなと。まあまあ良かったかと思う。

——鈴木惇選手を下げた意図は。

（川西）翔太が受けに下がっていて、惇が逆に前に行っていたので、まずはそれが理由。翔太を一列下げることは、試合展開の中でやってみようかと考えてはいた。本当はスタートから翔太と惇をボランチで、シャドーに（國分）伸太郎を使うプランと迷った。惇も疲労していたし、次の町田戦に向けて無理をさせたくなかった。また、相手ボランチの背後にスペースが出来ていたので、伸太郎ならターンしたり仕掛けたり出来ると期待した。

——いつもは岸田選手を左に回すが、今日は岩田選手をそのまま左に入れたのは。

長崎は中村くんが右に入ってきたので、フク（福森直也）のサポートに行けるほうがいいかと考えた。本当は右に（岩田）智輝を入れて左に（岸田）翔平を持ってこようかとも思ったのだが、翔平も疲労してフクのサポートに行けないのではないかと。古部くんにだいぶ背後をやられていたので、智輝を右に入れようと考えていたのだが、智輝も代表で左SBをやったりしていたので左でも行けるかなと、フレッシュな方を中村くんのサイドに置いた。

——後半は相手が絶妙な感じで引いてきた時間帯も回せてはいたが。

やりづらさはなかったし、相手が引けば引いただけ回せたのだが、前半からバイタルエリアのところ、攻撃のクオリティーをもうちょっと上げていかなくてはならない。良いところまで行けても、そこでミスが多かったり判断が悪かったりというところがある。後ろから回したり組み立てたりというところはだいぶ出来ているのだが、相手陣地に入ってからの崩しに課題がある。動かせてはいても決定機が作れなかった。ワンプレーのクオリティーが良ければチャンスになっていた場面がたくさんあった。そこまで悪いゲームではなかったのだが、結果がともなわないと何も残らない。

——前半は伊佐選手が動いて起点になったりしたが、後半は起点が作れなくなった。

フリーすぎたことで、出し手との関係で狙われやすくなったかと思う。出し手との距離が近すぎても狙われやすくなるので。あとは前線の背後を狙う動きなども少なくなった。シャドーのところで翔太やごっつぁん（後藤優介）が受けたりも出来ていたのだが、そこからフィニッシュに至る質やアイデアが足りなかった。

——失点場面に関しては。

スローインで慌てなくていいのに慌ててしまった。2つ目も間を行かれたり慌てたり、クリアミスしたり。長崎にプレゼントしてしまったという感じ。ファンマにやられたという感じはなく、むしろ後ろ3枚で良く対応していたと思う。体を使うのは上手かったが、ああいうタイプは他にもいるので、あのくらいの選手なら抑えてほしいし、それほどやられていなかった。前半にカウンターでポストに当たった場面も、確かに上手かったがこちらの自滅。前半から相手CKがあれだけ多かったなかで、いつかやられるなと思っていたのだが、集中して守っていたし、やられた感じがないから、本当に悔しい。「勝ち点3をあげた」という感じ。やられて負けたのだったら力がなかったと思える。なおさら歯がゆい。

——修正については。

個人のところで慌てずにどれだけやれるかということと、いろんなものが重なるとこういうことになってしまうことがJ2にはあると学んで、次に生かさなくてはならない。

——敢えて収穫を挙げるとすれば。

凌佑も良かったと思うし、伸太郎もシャドーで使って面白そうな感じもあった。ちょっとずつそういう選手も使いながらやっていきたい。若手に関してはまだまだ。怪我人が出たのは仕方ないが、いないのは厳しい。

——町田戦に向けての準備は。

試合翌日はリカバリー。また2日間でやっていきたい。町田はまた長崎と違って4-4-2でコンパクトに戦ってくる。前線に得点力のある選手もいるので、気をつけたい。