TORITENトリテン

闘う言葉

FW 27 三平和司「課題はすべて状況判断のところかもしれない」

 

——シャドーの動きがカギになるはずだったが、前半は良さがあまり出せなかったのでは。

相手もミラーで前からタイトについてきていたので、僕のイメージではウラを狙ってもいいかなと思っていた。相手のラインもガタガタだったし結構行けそうだったのだが、なかなかパスが出てこなかった。みんなでも話し合ったのだが、あの時間帯で失点したことで、ボールを大事にしすぎるという課題がまた出てしまった。山形が前半に前から来ていたことで後半は足が止まって、ああいうゲームになったのだと思う。

——前線と後方で意思疎通は出来ていたのか。

難しいところ。前としては「いまチャンスじゃん、出せよ」と思っているんだけど、後ろとしては失点しているしここはボールを大事に保持して自分たちのサッカーで回していこうという思いがあると思うので。前線3枚の距離感もあまり良くなかったので、そこを改善して、3人が連動して動けるようにしなくてはならない。

——ボールが入ったときの相手の寄せも早かった。

前半は早かった。でもそうさせたのは自分たち。最初の15分くらいはウラを狙わないと、相手もタイトに来る。最初にウラを狙う動きをすれば相手も引くだろうし。そういった基本的なところが出来ていなかったのが良くなかったかもしれない。

——前半から狙いは見えていたのだが、それが上手く形にならなかった要因は。

いままでの相手とちょっと違ったのは、相手のFWが体が強かったところ。体の使い方も上手く、そこで収められたことで流れがなかなかこっちに来なかった。もっと失点してもおかしくないピンチがあった。そういうところは相手によって少し変えていかなくてはならないとも思う。

相手の人数のほうが多いサイドに変えてしまったりして、そこで狙われたりもしていた。もうちょっと前を見て、相手がシャドーのところを閉めたときにサイドを使って、といった状況判断が出来れば、もっと楽に回せるし高い位置でプレーできるのかなと思う。

——前線の守備に関しては。

前半はなかなかハマらなかった。最終ラインのサイドの選手にボールを蹴らせることは出来たのだが、それが結局相手の前線につながってしまっていたので、プレスに関しても難しかった。

——迷いなくプレーする相手に対して、こちらは迷いが見えた。

それはここまでの7試合すべてで言えること。ちょっとボールを大事にしすぎているのかなと思う。課題はすべて状況判断のところかもしれない。相手がプレスをかけてきているときに、そのプレスが奪いに来ているプレスなのか、ただ後ろに戻させるためのプレスなのかというところでも違いが出てくるし、もしかしたらこちらが持ったら相手はもっと嫌がるかもしれないし、という判断が大事。

ウチはボールを回すスタイルなのだが、ボールを回しても相手が食いつかなかったときにどうするかというところ。相手が引いたときに崩すアイデアがちょっと少ない。食いついてきたときにはカミ(上福元直人)からも良いボールが出てきてそこから崩せたりもするのだが、そこで崩したときに、いまいちスイッチが入らない。そこは練習で、「このときはもうちょっと行っていいよね」という話をしてもいいかもしれない。

——ただ、今日はミドルも増えたし、後ろから関わる回数も増えていた。

コテ(小手川宏基)は相変わらず良いところに顔を出してくれるが、前線の3人がもっとやらなくてはならない。もっとお互いを見てプレーしないと、このチームの攻撃は上手くいかないのかなと思う。もっと3人の意識を上げていきたい。

——もっとシンプルにクロスを入れようという考えはなかったのか。

上げられるときは上げたほうがいいと思うのだが、無理矢理上げても仕方ない。「これは上げられる」というシーンがそれほどないのは、クロス以前の崩しのところがまず上手く行っていないから、クロスまでたどり着いていない。そこまでの過程がよくなくて「1対1でどうにかしてくれ」というのでは良くない。まずは崩しのところ。クロスを入れるときの共通認識をもう少し決めてもいいかもしれない。

——ゴールシーンについては。

(山岸)智くんがボールを運んでくれて、相手が3枚守備に行った。1人は智くんのちょっと後ろから。1人は完全に前。そしてもう1人が寄せていったところがめっちゃ空いたので「出せ!」と。そこで出てきたボールを最初のタッチから良い感じで前に運べたので、あとは思い切り感覚で打ったら良いところに行った。