【練習後】片野坂知宏監督「拮抗した展開になるのではないか。勝敗を分けるのは先制点」
開幕に向けて、この1週間は、コンディションを整え、戦術をより浸透させることに努めた。選手たちの様子を見ながらもう一度引き締め、刺激を入れた。
現在別メニューの選手もいるが、大きな怪我人が出ることなく、いろんな組み合わせを試せたし、状態をあげることが出来たのも良かった。メンバーを選ぶ際に迷うのはうれしい悩みだと言える。
最初の試合なのでもちろん勝つことが理想だが、僕は42試合をひとつひとつ積み重ねていくことが大事だと思っている。昨季J1にいた福岡とのアウェイ戦とあって厳しい戦いになると思うが、思い切ってチャレンジしたい。相手の出方がわからないが、どういう形であっても自分たちのやり方で戦えるように。気合が入りすぎてがむしゃらに行ってかわされるようなことがないようしっかりコントロールし、チームとして合わせてやることが大事。
明日の練習後に移動するが、いつもどおりの準備をしていつもどおりの入り方をする。特別なことは何もせず、いままでどおりやるだけ。
——非公開で行ったトレーニングマッチの感触は。
自分たちの攻撃の形がしっかり浸透してきたし、得点も取れた。もう少しあげなくてはならないところもあるが、ある程度の形は見えた。守備では失点もあったが原因が明確で修正しやすい。隙を与えないようにやりたいところもあるが、手応えとしては悪くなかった。選手たちも自信がついたようで、今週も意欲的にトレーニングしていた。
——今週、非公開にした部分のトレーニングで、監督のやりたかったことはほぼ出来た感じか。
いや、もう少しやりたかった部分もある。映像とピッチで確認したが、相手がどう出てくるかもわからないので、状況によって判断してチームで合わせてやれるようにしたい。
——今季始動時に開幕までにここまで仕上げたいと思い描いていたイメージには近づけたか。
そうですね。新加入選手が入ったなかでどのくらい出来るかという部分では、想定内、むしろスムーズと感じられるくらいにやってくれている。ただ、先日のトレーニングマッチも主導権を渡すことなく自分たちらしさが表現できていて、悪くはなかったのだが、福岡相手の公式戦初戦というところでどうなるか。開幕してみないとわからない部分もある。
——相手には球際の強い守備陣もいるが、どのように崩したいか。
判断を早くしてテンポを上げたい。相手の強いプレッシャーをかわすだけの判断力と質を持てればひっくり返すことも出来る。相手のプレスの速さやフィジカルの強さが出ないような動かし方、攻撃でチャンスを作りたい。
——状況によって試合のなかでのシステム変更もあり得るか。
もちろん考える。どちらがいいか、相手がどう出てくるかで想定しておきたい。
——岩下選手の弱点はよく御存知なのでは。
まあ、ガンバで一緒にやっているので。ディフェンスでリーダーシップを取るし攻撃でも良いボールを蹴って起点になれる選手で、間違いなくメンバーに入ってくる。特徴は選手たちに伝えたが、向こうもそれはわかっていると思うので。
——予想される展開、勝敗を分けるポイントは。
開幕戦でお互い硬くなる可能性もある。拮抗した展開になるのではないか。勝敗のポイントは先制点。先にゴールを奪ったほうが余裕をもって主導権を握り、勢いに乗っていきそうな気がする。